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思春期の肥満

学童期にもっとも多く見られた肥満児は、中学生以降の思春期に入ると少しずつ出現率が落ちてきます。男子はこの時期に再び身長が大きく伸びること、女子は「やせたい」という外見的な意識が強く働き出すこと、部活動などで激しい運動に取り組む児童が増えることなどが理由に挙げられると思います。ですから、これらにあたる児童については、ある程度の配慮と様子見で状況が変化する可能性があります。一方、生活の乱れや運動不足に改善がみられない児童は思春期に肥満が完成してしまい、それ以降の成人肥満につながっていってしまいます。そうなると、生活習慣病や成人病の発生率が著しく高くなることはこれまでの項で説明してきました。

この時期に初めて肥満の兆候が出てきたという例は少ないようです。その前の時期からずっと肥満を引きずっていることがほとんどです。ですから、思春期になって肥満を解消することは、かなり難しいとの覚悟が必要です。

思春期の子供になると、行動のほとんどすべては自分の意思によるものになり、親の介入はかなり難しくなります。子供だけで行動することが多くなり、親があれこれ尋ねてくるのを嫌がるようにもなります。親ができるのは、あれこれ言うのではなく、太っていることのデメリットを自分で理解できるような材料を与えることです。食事、運動、生活習慣、加えてファッションなど外見的な要素を含め、本や資料などを与えて自分で知識を取り込んだり参照できる環境を作ってあげましょう。

この時期は、気をつけたいことがいくつかあります。
ひとつは、太っていることがコンプレックス、いじめ、恋愛の妨げなどにつながり、ひどくなると普通の学校生活を送るのが困難な状態になりかねないということです。
それから、痩せたいという意識が過剰に働きすぎると、無理なダイエットに走り過食症や拒食症などの病気になったり、高額なダイエット商品に手を出したりなど取り返しのつかない状態に陥る可能性があります。形から入るのもこの時期の子供にとってはある程度必要なことでもあるようですので、あまり害のない程度にとどめるようアドバイスしたり見守るようにしましょう。

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